内臓と筋・筋膜の関係
皆さんこんにちは!
吹田市片山町の整体院、うえむら整体院の上村です。
本日は、内臓と筋・筋膜の関係について解説していき、内臓の機能低下によって起こる痛み・不調のメカニズムについて理解を深めていただきます。
前回のブログでは、筋・筋膜について解説しているので、そちらも合わせてご覧ください。
内臓と筋・筋膜の優先順位
筋・筋膜は、動物が動く際にとても重要です。
人の身体が合理的に、そして協調的に動くために、筋・筋膜がとても大切な働きを担います。
しかしながら、人が生きていく上で重要な臓器かといわれれば、内臓や脳と比べればそんなことはありません。
筋肉は重要でない
筋肉が動かなくても、すぐに死ぬことはありませんが、内臓が動かなくなるとすぐに死んでしまいます。
そのため、内臓は自律神経という、自分の意志とは無関係に動く神経が、24時間管理し、その働きを維持してくれています。
そんな事情もあって、人体にある血液は内臓や脳へ優先的に送られるようになっています。
人間の血液は体重1kgにつき平均して約80mLあると言われています。(体重60kgの人の場合で、5L弱の血液が流れている計算になります)
そのうち、約55%が内臓にあり、20%が脳、筋肉は脳と同じく20%、残り5%が骨や皮膚など他の組織に存在します。
骨、皮膚、筋・筋膜は優先順位が低い
脳は筋肉より体積が圧倒的に小さいのに筋・筋膜と同じ量の血液が必要ということは、筋・筋膜よりも脳の方が血液を必要としていることになり、優先順位が高いことがわかります。したがって、
《重要度合》 内臓 > 脳 > 筋・筋膜 > 骨・皮膚(その他組織)
ということになります。
例えば、食べ過ぎなどで内臓が疲れてしまった場合、優先順位の高い内臓を癒すために、血液は内臓にたくさん向かいます。(内臓へ血液を送るために、血圧や心拍は上昇します)
その際、血液の量は一定であるため、他の優先順位の低い組織から血液を奪って持ってくることになります。
その「優先順位の低い組織」が、骨、皮膚、そして筋・筋膜ということになります。
例えば、内臓が疲れて、60%の血液を必要とした場合、不足した5%を、骨、皮膚、筋・筋膜から補う形になります。
骨や皮膚の血流が0%になることはないので、自ずと筋・筋膜から血液が補われることになります。
そうすると、筋・筋膜の血流は必然的に不足することになります。
なぜ内臓の疲労によって痛みが起こるのか
以上の結果、内臓が疲れると筋・筋膜の血流不足によって筋力を発揮できずに弱くなり、周囲の筋と癒着し固くすることで身体を支えるようになります。
そして、筋・筋膜(その他靭帯や腱)の癒着によって骨格のバランスが崩れることになり、痛みや不調を引き起こします。
例えば高齢になって内臓機能(自律神経機能)が慢性的に弱くなっている場合、まず骨がもろくなり、皮膚の乾燥や炎症などの異常を招きやすくなります。
そして同じように筋力低下や筋筋膜の癒着・固さによって骨格の歪みを作ることになります。
内臓が大切
今日の話をまとめると、内臓はどんなに疲れてもその働きを保つために、他の臓器から血流を補ってもらうことがわかります。
その仕組みを維持するために、内臓は自律神経という意思とは無関係に働く神経によって機能することができています。
例えば心臓や胃が、疲れたから動きを止めたりしてしまっていては、寝ている間に死んでしまいます。
またその働きを筋肉のように自分の意志でその都度コントロールしなければならないとなると、とても大変ですよね。
なので、内臓は悲鳴をあげていなくても、いたわってあげなければならないと肝に銘じておかなければなりません。
内臓に負担がかかると、骨や皮膚、筋・筋膜、そして脳にまで負担をかけてしまうかもしれません。
食後に背筋を伸ばした際に、背中が痛かったり苦しかったりしませんか?
もしかしたらそれは、食べ過ぎによって筋・筋膜が血流低下を起こしているのかもしれません。
次回以降は、具体的にどんな臓器が腰痛や肩こりに関わるのか、解説していきます。
お楽しみに~