側弯症と腰痛の関係

皆さんこんにちは!

吹田市片山町の整体院、うえむら整体院の上村です。

本日も疾患別の腰痛対策をお話ししていきます!

前回は腰部脊柱管狭窄症と腰痛の関係について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

前回や前々回の「疾患別の腰痛対策」のブログを読んでいない方は比較するためにも参考になるので、良かったら前のブログも読んでみてください。

今日のテーマは「側弯症」です。

側弯症は簡単に言うと脊柱を正面から見た場合に、左右に曲がっている状態の事を指します。

あまり馴染みがない病名かもしれませんが、実はこれまでにお話ししていた腰椎椎間板ヘルニアや神経根性(腰部脊柱管狭窄症)などとも関連が深く、その多くが腰痛の原因となりえます。

今日はそんな側弯症について、詳しく解説してから、そこから見られる腰痛とその対策について解説します。

側弯症とは?

まずは側弯症とはどういうものなのか解説していきます。

ここでは側弯症とはどういう疾患なのか?そしてその症状と原因をお話ししていきます。

側弯症とはどのような疾患か?

側弯症の解説の前に、まずは脊柱の構造についてお話ししていきます。

脊柱は頚椎(首)、胸椎(胸部)、腰椎(腰部)、そして仙椎・尾椎から成り立っています。

脊柱を横から見ると、頚椎、腰椎は前に弯曲(前弯)、胸椎は後に弯曲(後弯)しています。

これは歩行時に足の裏から受ける衝撃を背骨で逃し、頭への衝撃を減らすため曲がっているといわれています。

上下で最も傾いている背骨どうしのなす角度 (コブ角)が、10°以上であるものが側弯症です。

痩せ型の女子に多いとされていますが、80%以上が特発性(原因がわからない)とされており、これまでの研究で、通学鞄の種類や重さ、寝る姿勢、睡眠時間、ベッドか布団か、などの生活習慣は側弯症と関連はないと結論付けられています。

側弯症の分類

側弯症は、機能的なもの、構造的な変形のどちらかになります。

ここではそのあたりを詳しく解説します。

機能性側弯症

冒頭でも述べましたが、腰椎椎間板ヘルニアや神経根性などの痛みを回避するために起きる側弯症(疼痛性側弯)などを、一時的な歪みとする「機能性側弯症」があります。

痛みが強い場合、なんとなく痛みを回避するために変な姿勢をとってしまいがちですよね。これは側弯でなくても起こりうる歪みの状態です。

構造性側弯症

脊椎のねじれを伴った側弯であり、まっすぐに戻らなくなった状態です。

側弯の見た目のみで困っている人は背骨が変形しているのでは?と考えているのではないでしょうか?

側弯によりコブ角が広がり、重症化している人でも、腰痛を感じにくい方もいますが、構造性側弯で腰痛まででてくると、改善までには根気が必要です。

側弯症の原因

側弯症の原因は、特発性(原因不明)のものと、特定の疾患によるものがあります。

ここでは、側弯症の原因について詳しく解説します。

特発性側弯症

原因がわからない事を「特発性」といい、側弯症のうち80-85%を占めるのが、この特発性側弯症となります。

特発性側弯症の中でも、年齢により分類することができ、

①乳幼児期側弯症:3歳以下に発症、男児に多い
②学童期側弯症:4~9歳に発症、進行しやすい
③思春期側弯症症:10歳以降に発症、痩せている女子に多い。

となります。それぞれの頻度は、①4%、②12%、③84%で、思春期側弯症が圧倒的に多くなります。
特に小学校高学年より中学校1、2年生の痩せている女子に多く見られます。

【特発性側弯症の進行の仕方】
身体の発育や成長が止まるまで進行し続ける傾向があります。
つまり、発症年齢が若くて発症後の成長期間が長いほど、進行する可能性が高くなります。
多くの特発性側弯症は、骨成長が成熟期に達すると急速には進行しなくなります。

原因疾患がわかっている側弯

特発性でない、原因がはっきりしている側弯症として下記のような疾患や状況があげられます。

①先天性側弯症

脊椎(椎骨)に生まれつき形の異常があり発症する側弯症。

【先天性側弯症の進行の仕方】
急速に増悪するものと、ある程度からは進行しなくなるものがあります。
形の異常が複雑な場合や、異常な脊椎が複数ある場合には急速に進行する傾向にあります。

②神経・筋原性側弯症

神経や筋肉の病気が原因で発症する側弯症。

(例)脊髄空洞症、脳性麻痺、筋ジストロフィー

【神経・筋原性側弯症の進行の仕方】
身体や骨の成長が止まった後になっても側弯だけが進行する場合があります。
また、多くの場合で進行が早いので注意が必要です。

③神経線維腫症による側弯症

レックリングハウゼン病ともよばれる。特有な色素斑、皮膚腫瘍、などにより診断。

【神経線維腫症の進行の仕方】
急速に進行することが多く、大人になってからも進行し続けます。
側弯により脊髄(脊柱管の中にある中枢神経)が圧迫されることで脊髄麻痺を生じることがあるため、進行が速い場合は注意が必要です。

④血管や結合組織の生まれつきの病気による側弯症

マルファン症候群が代表的な病気です。

【マルファン症候群の進行の仕方】
急速に進行することがあります。特にマルファン症候群は生まれつき心臓や大血管の病気が合併していることがあり、治療時にはこれらの合併症の状態を十分に把握する必要があります。

⑤その他の側弯症

放射線治療、やけどなどによるケロイド、骨系統疾患、感染、代謝疾患、脊椎の腫瘍

これら疾患が特発性側弯症以外の、残りの15-20%になります。

側弯症と腰痛

側弯症による明らかな構造的歪みが、腰背部に負担をかけ腰痛をはじめ様々な症状に関連してきます。

側弯症の腰痛を改善する方法は、そんな構造的歪みに伴って起こる負担部位をできるだけ改善していくほかありません。

構造的な歪みのよる負担によって、椎間板に負荷をかけたり、脊柱管を狭めて脊柱管狭窄になったり、腰痛が出る理由は様々です。

改善においても注意点がいくつかあるので、ここで解説します。

改善できる腰痛と改善できない腰痛

改善できる可能性のある腰痛の特徴は、まずは基礎疾患がないことです。

進行性の病気がある場合は、側弯症自体も症状が進んでいくことになるので、腰痛のケアはとても対症療法的になります。

しかし、原因疾患が見当たらず、特発性(原因のわからない)場合は、まず運動療法を試してみてもいいのかもいせれません。

つまり、特発性側弯症で腰痛が出ている場合、側弯自体を解消することで腰痛を解消できるかもしれないということです。

※ここでのお話は全てご自身で治す場合に限ります。手術や整体であれば他の方法もあります。

側弯症解消の体操

ここでは特発性側弯症の方にためしてほしいおすすめ運動法を紹介します。

サイドシフト法

運動療法は身体全体を使いますので、全身鏡の前で行なってください。

①鏡の前に足を揃えて直立姿勢で立ちます。(腰に手を当てて行うとやりやすいかもしれません。)
②両肩は床と水平に保ち、背骨が曲がっていない側(凹側)に体幹をシフトしていきます。足や骨盤は真っ直ぐにして、体幹だけ水平移動してください。
③動く範囲で動かして、止まったところで10秒程キープしましょう。
この①~③この動作を10~20回程行ってください。最初は10回くらいにしておきましょう。

ペルビックヒッチ法

サイドシフト法と同様に鏡を使い、キープ時間や回数は徐々に増やしましょう。

①鏡の前に足を揃えて直立姿勢で立ちます。(腰に手を当てて行うとやりやすいかもしれません。)
②直立姿勢から、曲がっている側(凸側)の骨盤を上げていきます。※膝を伸ばしたまま背伸びをして踵を上げるとやりやすいかもしれません。頭と両肩は動かないように固定させましょう。
③骨盤を上げた状態のまま、10秒程キープしましょう。

終わりに

いかがだったでしょうか?もし当院のお近くにお住まいでしたら、その他の方法もご提案できます。

側弯症は気づいてからは精神的なストレスもあり、お子さんが発症したら心配にもなると思います。

しかし、まずは冷静に病院で基礎疾患がないか診断してもらい、特発性側弯症であれば改善の可能性があるので、上述した運動療法を試してみてください。

以上!本日はここまでです!
また次回もお楽しみに~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA